ゼノサーガ エピソード3 ツァラトゥストラはかく語りき

 本編クリア。ついでに隠しボス全撃破、セグメントFコンプリート、データベースはストーリー以外コンプリート、GeMixは上級までクリアといった感じで、プレイ時間は42時間弱。
 4年越しの完結とか、EP2の反動でいろいろ補正がかかってるかもしれませんが、まあ面白かったですよ。
 以下、プレイ感想とか。


 ストーリーに関しては、最低限のエピソードはキッチリまとめてくれたし、見たかったものは見られたので満足。EP2の皺寄せか展開が駆け足で半ば強引にオチに持っていった感や、細かな伏線の消化不良感は否めないけれど。
 しかし脚本レベルでみると、ああやっぱり米坂氏だなというか、まあそんな感じで。シオンがウザいあまり、アレンの大啖呵にまったく共感も感動もできなかったり。というか、ここまで露骨に子宮でものを考えるキャラって久しぶりに見た気がするな。別にそういうキャラがいること自体は問題ないけど、仮にも主人公をプレイヤーの感情から乖離させるってのはー。ろくにフォローもされないし。
 ネタはいろいろ面白い。やけにゼノギアスのパロディが多いなあと思っていたら、ラストの展開とかいかにもアレとかコレはゼノギアスに繋がりますよと言わんばかりで、ニヤニヤが止まらない。現実的には版権の壁で直接繋がることはないんだろうけど、妄想のための装置という意味ではうまいことやったなという感じ。ロストエルサレム絡みがほとんど踏み込んだ説明がなされなかったのは残念だけど、まあある程度は予想していたし。一点気になったのは、キリスト風の男が説法する様を眺めるケイオス=イエオーシュアとマグダラのマリアという構図。グノーシス主義の思想が背景にあると考えるとなかなか面白いものがある。

 音楽は、今回細江氏が外れて梶浦氏のみになった訳ですが。お涙頂戴のシーンや終盤のボス戦の曲はいい感じで、盛り上がるところは盛り上がるものの、全体的にはほぼ空気。当たりと外れの差が大きいといいますか。通常戦闘曲や一般ボス曲がやけに静かで落ち着いた曲で最初は違和感があったものの、やってる内に案外マッチしているような気がしてくるのが不思議。

 グラフィックに関しては、ポリゴンモデルはEP2の延長線上とは思えない程良くなっているし、演出も相まって文句なし。このクオリティなら見るだけゲーでも割とアリだと思えた。マップは超綺麗ね、うん。無機的な構造物のダンジョンが多いけれど、自然の風景は初見でしばらく見入ったり。惜しむらくは移動時のカメラがひどいことだけど。自分で視点操作できないうえ、急に角度が変わったりして見にくいったら。

 戦闘は保守的なコマンド式戦闘で基本的にイージーバランス。爆速ロードも相まって実にテンポがよく、ストーリー主体のゲームだけにイベント進行の妨げにならないのがいい感じ。しかしイージーなバランスながら、重点を「どうやって敵を倒すか」から「いかに効率よくポイントを稼ぎつつ倒すか」にシフトさせることでゲーム性を損ねていない点はうまい。ただ倒すだけなら簡単だけど、確実にポイントを稼ぐとなると若干の工夫が必要になり、またその工夫が後々の進行を楽にする。さっさと進めたい人は速攻で戦闘を済ませられ、じっくりやりたい人は時間をかけることでキャラクターを育成できて着実に攻略できる、と。ゲームとしての底はさほど深いものではないけど、ゲームのコンセプトに適ったものをしっかり構築できている、といった感じ。さすがにEP2は反省したようで。


 全体的には、良作名作というほどでないにせよ、割と満足できる内容でした。EP1の頃に求めていたゼノとはかけ離れてしまったものの、まあこれはこれで、と思える程度には評価回復しましたよ。